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プログラミングやその他技術的なこと、日常生活について。

CeCILL-Cライセンスのライブラリを使用する際のメモ

CeCILL-C License で配布されているライブラリCImg.h (http://cimg.eu) をCLIP STUDIOプラグイン制作で使用した際にライセンス条文を読んだので、CeCILL-Cライセンスのライブラリを自分のソフトウェアに組み込んで配布する際の注意点をまとめる。

(細心の注意を払って書いたつもりではありますが、間違いが絶対にないとは言えないので、実際に使用する方はご自身でライセンス原文やFAQをよく読んで下さい。本記事を読んだことによるいかなるトラブル・損害についても責任を負えません。)

CeCILLファミリーについて

CeCILL, CeCILL-B, CeCILL-Cはフランス発のライセンスである。オープンソースライセンスと互換性があり、フランスの国内法にも則っているようなものにすることを目的に作られた。そのあたりの事情は“フランス版GPL”、仏国立研究所が発表 - ITmedia エンタープライズで詳しく述べられている。

それぞれは以下のような点で違いがある(FAQより)。

  • CeCILLライセンスのライブラリを使用したソフトウェアは、CeCILLライセンス下で配布しなければならない。
  • CeCILL-Bライセンスの場合、任意のライセンス下で配布できる。
  • CeCILL-Cライセンスの場合、任意のライセンス下で配布できるが、元のソースコードを変更した箇所はCeCILLで公開しなければならない。

以下ではCeCILL-Cに絞ってその特徴を述べる。

商用利用

商用利用は禁じられていない。

ソースコードの開示義務

元のソースコードを改変した部分についてはCeCILL-Cライセンスで配布する義務がある。ただし、少し変数の名前を変えたくらいならその必要はない(FAQ参照)。

ソースコードを改変することなく、includeしたりリンクして使うだけなら、ソースコード開示の義務はなく、任意のライセンス下で再配布することができる。

再配布の条件

ソフトウェア配布の際に、改変部分のソースコードの開示以外に必要なことは、Article 6.4によれば、

  1. 元のライブラリに添付されている著作権表示(Intellectual property notice = Copyright notice)を消したり改変したりしない。
  2. 1.を複製する。
  3. そのライブラリを使ったこと、そのライブラリがCeCILL-Cライセンスで配布されていることをソフトウェアのアクセスしやすい場所(Aboutタブ等)に表示する。

である。

参考リンク

CeCILL-C FREE SOFTWARE LICENSE AGREEMENT

http://www.cecill.info/licences/Licence_CeCILL-C_V1-en.txt

CeCILL FAQ

http://www.cecill.info/faq.en.html